2017年2月22日水曜日

改善を進めるために必要なこと(その2)~プロセスが見えれば結果の理解が異なる

 自身の考えを他人に認めてもらおうとしたとき、そのストーリーや根拠もさることながら、相手との信頼関係というのも重要な要素である。信頼関係が築かれていれば、相手はあなたの考えに耳を傾け、建設的な議論をすることができるだろう。
 信頼関係を築くための方法に、唯一絶対の方法はなく、それは相手によっても変わってくるだろうが、基本的な方法論というのはあると考えられる。今回は、私の経験に基づく信頼を醸成するためのアプローチを紹介したい。

 あるときの私の上司は、非常に細かい進捗報告を求める人物だった。そこで、毎週定例会議を行うことになったのだが、しばらく続けていると、面白い変化が現れてきた。最初は進捗状況に関して一方的な批判を繰り返していた上司が、定例会議を重ねるうちに、私と一緒の悩んだり考えたりするようになったのだ。つまり、プロセスを知ることによって、遅れている理由や問題解決の妨げとなっている課題などを理解するようになったので、結果だけを見て批判することができなくなったのだ。私は「なるほど」と思った。

 評論家は、プロセスを知ることで当事者に変わるのだ……

 この上司はしばらくして社を去ったが、この体験はとても貴重なものとして私の歴史に刻まれた。

 プロセスを見える化し、しかるべき利害関係者と共有することは、業務遂行上の問題や課題、その中での業務遂行者の困りごとや努力を共有することであり、その共有は現実への理解につながる。多くの場合、当事者ではない人々は正論で問題領域を読み解こうとするが、現実は正論で解きほぐせるほど単純なものではない。しかし、現実を知らなければ正論以外主張しようがないという部分もあるだろう。
 あなたにとって、自分の仕事のプロセスを他者に見せると言うことは、多かれ少なかれ精神的な負担を伴うことかもしれない。しかし、それを乗り越えられれば、個人で抱えてしまっていた問題や課題をチームで対応するという体制に変えることができるかもしれない。そして、他者はあなたのプロセスを知ることによって、あなたの出した結果に対する捉え方が変化するだろう。そして何より、自分のプロセスを可視化することによる他者からの理解は、信頼関係を醸成していくための重要なプロセスになると考えている。

 上司やチームのメンバーが変わったその後も、私は週一回の定例会議を続け、良いことも悪いこともすべて公開してきた。他者の心を正確に知ることはできないが、私は信頼を得ていると感じている。なぜなら、私が提案する改善やチャレンジが、チーム内で建設的に議論されているからだ。

プロセスが見えれば結果の理解が異なる
プロセスが見えれば結果の理解が異なる

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