2017年2月12日日曜日

改善を進めるために必要なこと

 Enterprise Architect事例紹介セミナーを終えた後、参加された方から次のような趣旨の質問を受けた。

「新しい手法を取り入れるには、どのように組織の中で展開していけばよいか?」

 この質問の背景には、改善後の成果をうまく利害関係者に示すことができず、その結果、改善が進められない、ということがあるように思う。そこで、今回は「改善を進めるために必要なこと」について、私の経験を基に考察してみたいと思う。

 まずは、逆の立場になって考えてみよう。あなたはシステム開発部門のマネージャーで、部下から改善提案を受けたとする。そして、その改善提案は実施するとなると、開発部門全体に影響する性質のものだと仮定しよう。さて、この改善の可否について、あなたはどのような要素により判断するだろうか?

 最初に考えるべきことは、失敗の代償はいくらか? 失敗の責任は誰に及ぶのか? ということだろう。つまり、リスクの評価だ。誰しも失敗はしたくないし、その失敗が取り返しがつかない、多大な損失を被る、というような時、誰もそんなリスクはとりたくない。一方で、物事にはリスクが常に存在し、確率的に顕在化する。リスクをとらずに成果を得ることは難しいという現実がある。さて、どうすればいいか?

 そこで必要になってくるのが、リスクをコントロールするということだ。恐れるに値しない程度までリスクが小さくなれば、あなたのマネージャーもYESと言ってくれるかもしれない。つまり、スモール・スタートという考え方だ。これにより改善の規模が小さくなれば、改善への取り組みに要するパワーも少なくて済む。少ないパワーあるいはコストなら、より多くの協力を得られる可能性もある。
 さらに、改善はステップ・バイ・ステップで進めていき(リスクを分割して進める)、最終的なゴールまでのロードマップについて、利害関係者間で合意することが必要だ。この時重要な観点は、成果よりも失敗について合意することだろう。なぜなら、あなたのマネージャーも、改善に成功すれば良き未来が訪れることくらい、ちゃんと分かっているからだ。

軽いリスクはみんな持てる
軽いリスクはみんな持てる


 次回は、このテーマの続きとして、「信頼の醸成」というようなことについて考えてみたいと思う。

0 件のコメント:

コメントを投稿